前回は、マインドフルネスの簡単なロジックを説明しました。
それでは、実際に瞑想の練習を行ってみましょう。瞑想にはいろいろな種類がありますが、一番基本となるのは座って行う瞑想になります。
マインドフルネス瞑想においては、大きく2つのステップがあります。
- 心を集中させ、心を落ち着いて澄んだ状態にする。
- その状態をベースに、あらゆる心の動きに気づき、その動きを受け入れる。
まずは1.の状態にはいり、これが2.につながり、また2.が1.につながる、というポジティブなサイクルが発生します。
静かに座り続けることで、コップの水のごみが沈殿して、澄んだ水になる、という比喩がよく使われます。そして、そのように澄んだ状態になると、水面を波立たせるものや、ゴミに気づきやすくなります。これが1.の段階に入った場合に、2.に移りやすくなるということの意味です。そして、心の動きに気づきやすくなる(2.の状態)と、気がそれたときに注意をスタート地点に戻すことがしやすくなるため、1.につながります。
このサイクルに入るために、まずは1.の状態にたどり着きたいのですが、そのために行うのが呼吸に意識を向ける瞑想です。これは基本的に4つのステップを取ります。
準備として、最初は、一人になれる静かな場所で、2~3分でも結構ですので時間を取ってみましょう。胡坐をかいて床に座るか、椅子に座り、背筋を伸ばします。両手は膝の上に置くか、おなかのあたりで組んでも構いません。目は閉じるか、下方斜め45度あたりの一点を眺めます。
この状態で呼吸に意識を向ける瞑想の4ステップに入ります。
- 意識を呼吸に向けます。空気が鼻を出入りする感覚に意識を向けます(感じにくい場合は、おなかが膨らんだりへこんだりするところに意識を向けても良いでしょう)。この時、呼吸のスピードや深さはコントロールする必要はありません。呼吸は体に任せ、ただ意識が呼吸を後追いするようにします。
- こうして一時経つと、気が付かないうちに他のことが頭に浮かんで、そちらに気を取られている状態が訪れます。
- そして、他のことを考えている自分にハッと気が付きます。気がそれるのは自然なことなので、気がそれたことを悪く考える必要はありません。
- 気づいたら、浮かんでいた思考を追い払うことはせず、その思考には自分の頭の中にいいのだよと居場所を与え、自分の意識は呼吸に戻していきます。
まずは、上記のような呼吸を、続けていきます。シンプルな練習です。最初は2~3分でもよいでしょう。慣れてくると少しずつ時間を延ばしていけばよいかと思います。
マインドフルネス瞑想の練習のポイントは、「頑張りすぎず、期待しすぎず、コツコツと」行うことです。まずは少しずつ始めてみましょう。